コロナ禍における地理学科の野外実習の取り組み (3):多摩川がもたらした水のある暮らし

2021-12-14 (火)

コロナ禍における地理学科の野外実習の取り組み その(1)その(2) に続き、今回は 1 年生にとって授業としてはじめて参加する日帰りのフィールドワーク「地理基礎巡検」から、2021 年 11 月下旬に実施した一例(宇津川喬子助教担当)を紹介します。

 

多摩川がつくった地形や現在の自然環境、そして玉川上水がもたらした武蔵野と江戸の暮らしを考える巡検を、東京西部に位置する羽村市で行ないました。

 

JR 青梅線の羽村駅に 10 時前に集合し、まずは駅前にある「まいまいず井戸」(写真1)で鎌倉時代の取水技術や井戸の作り方と地形の関係を考えました。コミュニティバス “はむらん” に乗り(バス車内でもルートマップをとりながら)一路、草花丘陵へ。当日はあいにくの曇り空でしたが、寒すぎず、草花丘陵にある展望台(羽村神社)を目指して登っていると汗ばむような程よい天候でした。展望台から現在の多摩川の様子や武蔵野台地、河岸段丘を観察し(写真2)、地形図や地勢図を用いながら地形と街の位置関係などの理解を深めました。

 

丘陵麓にある羽村市郷土博物館では、江戸市中を中心に多摩川の水を届ける役目を担った玉川上水に関する映像や資料を中心に見て回り、続けて玉川上水の入口である羽村取水堰にも実際に歩いて見に行きました。持参した昼食をとった後には、玉川上水が何故羽村からひかれたのかを考えました。かつて玉川上水と多摩川の様子を監視していた陣屋の跡を経由して、現在の多摩川の河原へ。手分けして多摩川で観察される河床礫の種類を一通りそろえてもらい、岩石の分類やハンマーで岩石を割って新鮮な面を見る方法を学びました。薄暗くなる中、段丘崖の比高をハンドレベルで測る実習も行ないました。

 

終始しっかりと自分の足で見て回る巡検となりました。

 

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写真1 羽村駅前のまいまいず井戸

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写真2 羽村神社にある展望台